提言
人材育成の過渡期
下里 綱
1
Tsuyoshi Shimozato
1
1医療法人おもと会 大浜第一病院
pp.276-277
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203727
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作業療法士の資格を取得して25年.振り返るとこれまでの25年間,大した実績も残せていない中,今回の「提言」の執筆依頼…….誇れる実績はございませんが,誇れる出会いをしてきました.偉大な先輩方から多くの指導を受け,自分自身の作業療法士像をつくり上げてきました.
私が出会ってきた尊敬する作業療法士の先輩方は共通して,観察力,洞察力に長け,俯瞰的に物事を把握する力をもっています.「疾病を観る」のではなく「人を観る」ことを体現し,対象者とその人を取り巻く方々のことを自分ごとのように思い接する.そのような姿に憧れ,目標にしてきました.対象者のあらゆる情報から,瞬時にあるべき姿(目標)を導き出し,現状のギャップ(課題・問題)を捉えるスピードはまさに神業としかいいようがありません.知識・skill云々の前に,相手を知ろうとする思いや情熱が対象者の心をつかみ,虜にする.対象者は作業療法士の心意気に,その気になって病気や障害と向き合い,前に進む気持ちが生まれる.また作業療法士はそれに応える.そのような好循環を生み出す能力に長けていると思います.
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