Japanese
English
特集 ワクチン
インフルエンザ(新型含む)
Influenza
増田 佐和子
1,2
Sawako Masude
1,2
1国立病院機構三重病院耳鼻咽喉科
2国立病院機構三重病院臨床研究部
pp.107-113
発行日 2012年2月20日
Published Date 2012/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102062
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Ⅰ はじめに
インフルエンザは,わが国では毎年初冬から春先にかけて流行する。インフルエンザウイルス感染後,1~3日の潜伏期間を経て急激に出現する発熱,悪寒,頭痛,咽頭痛,筋肉痛,不快感,食思不振,乾性咳嗽,鼻漏,眼症状などを特徴とし,小児では消化器症状,熱性痙攣,下気道感染,中耳炎の合併率も高い1)。ほとんどが自然治癒するが,肺炎,気管支炎,脳症・脳炎などの合併症を起こし重症化する場合もある2)。また,ひとたびパンデミックとなると社会的な影響はきわめて大きい。2009年のブタ由来のH1N1ウイルスによるパンデミックの際にみられた混乱は,今後の医療行政のみならず,一般社会のありかたに大きな課題を示した。
ワクチンがインフルエンザウイルス感染および合併症予防の最も有効な手段であることは広く認められている3)。本稿では,疾患としてのインフルエンザの知識とともに,ワクチンと感染予防,治療も含めて概説したい。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.