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研究
成人片麻痺者における麻痺側肩甲骨の可動性促通が重心動揺に与える影響
Effects of mobility facilitation for the scapula of paretic side on the sway paths on the center of gravity in adults with hemiparesis
佐藤 将人
1
,
垣下 浩二
1
Masato Sato
1
,
Koji Kakishita
1
1橋本市民病院
キーワード:
片麻痺
,
肩甲骨
,
重心動揺
Keyword:
片麻痺
,
肩甲骨
,
重心動揺
pp.1198-1204
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203553
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Abstract:脳卒中片麻痺者の上肢機能における問題には,運動障害や感覚障害等の要因に加え,われわれは重心動揺の不安定さが上肢機能に与える影響が大きいと考えているが,重心動揺と上肢を体幹につなぐ肩甲骨の機能との関連性について十分な検討は行われていない.本研究の目的は,成人片麻痺者における麻痺側肩甲骨の可動性を促通する治療介入を実施し,その直後の肩甲骨のアライメントと動的機能の変化が重心動揺に与える影響を明らかにすることである.対象は脳卒中で入院中の成人片麻痺者17名とした.治療介入は,麻痺側肩甲骨を各運動方向へ徒手的に可動性を促通した.その結果,Lateral Scapular Slide TestおよびScapular Dyskinesis Testの成績に改善を認め(p<.001,r=0.88-0.90),静的姿勢およびリーチング課題時の重心移動距離と矩形面積が減少した(p<.001,r=0.88).したがって,麻痺側肩甲骨の可動性の促通は,肩甲骨のアライメント異常を改善し,肩甲骨の動的機能を促進させるとともに,重心動揺を減少させる可能性が示された.
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