Japanese
English
研究と報告
片麻痺患者の立位時重心動揺に及ぼす頭位変化の影響について
The Effect of Head Position Change on Body Sway of Hemiplegic Patients in Standing
奈良 勲
1
,
辛島 修二
1
,
西村 敦
1
,
浜出 茂治
,
立野 勝彦
1
,
中谷 藤房
2
Isao NARA
1
,
Shuji KARASHIMA
1
,
Atsushi NISHIMURA
1
,
Katsuhiko TACHINO
1
,
Fujifusa NAKAYA
2
1金沢大学医療技術短期大学部
2加賀八幡温泉病院
1School of Allied Medical Professions Kanazawa University
pp.265-269
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102839
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Ⅰ.はじめに
片麻痺患者にかぎらず,患者は歩行前段階として,立位保持が可能にならなければならないことは周知の事実である.しかし,単に静的立位保持が可能であっても,平衡反応,立直り反応などが十分に獲得されていなければ真に安定した歩行に移行して行くことはできない.
われわれは片麻痺患者が静的坐位,膝立ち,立位姿勢などにおいて,それぞれの肢位を保持できても,頭位を変化させると,それによって安定性を失うことを多々観察することができる.これは,前庭刺激,緊張性頸反射,視覚刺激そして頭部重心点の移動に伴う身体重心の移動などの影響を受けることによって生じる現象であると推察される.
これらのことを考慮し,われわれはすでに臨床的にそれぞれの肢位における頭部の運動を患者に求め姿勢保持改善の一助としている1).
今回,われわれは片麻痺患者が立位時において頭位を変化させたとき,それが重心動揺に及ぼす影響を知る目的で以下に述べる研究を行い若干の知見を得たので報告する.
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