Japanese
English
研究と報告
パーキンソニズムにおける補高の効果について―重心動揺・歩行能力での検討
Effects of Heel-up in Parkinsonism: Analysis on the Center of Pressure and the Walking Function.
奥 壽郎
1
,
網本 和
1
,
山崎 裕司
1
,
牧田 光代
1
Toshiro Oku
1
,
Kazu Amimoto
1
,
Hiroshi Yamazaki
1
,
Mitsuyo Makita
1
1聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation Medicine, St. Marianna University School of Medicine Hospital
キーワード:
パーキンソニズム
,
補高
,
重心動揺
,
歩行能力
Keyword:
パーキンソニズム
,
補高
,
重心動揺
,
歩行能力
pp.391-394
発行日 1994年5月10日
Published Date 1994/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107610
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はじめに
パーキンソニズムに対する理学療法アプローチは,振戦,固縮,無動,姿勢調節障害の4大徴候のうち,ADL障害との関連性よりみると,無動,姿勢調節障害およびそれらを助長する因子に対して行うことが望ましいことが,諸家により報告されてきた1-3).
われわれはこうした観点より,パーキンソニズムにおけるADL障害をより反映した姿勢調節障害の特徴を検討すべく,立位重心動揺を用いて静止立位のみならず随意的な動的立位を加えて,健常者と比較することにより分析を試みた.その結果,本疾患では静止立位において健常者に比し重心が後方に位置しており,このことが本疾患の特徴的な立位・歩行障害に関与していることを指摘した4).
そこで今回,本疾患患者に対し補高(本文では補高を踵部のみを高くすることとする)を施行し,他動的に重心を前方に変位させた際に,補高が重心動揺,歩行能力に与える影響について分析したので報告する.
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