特集 家族計画
家族計画と地区組織活動
柴山 知輝
1
,
若林 登
1
1栃木県衛生部
pp.23-27
発行日 1957年4月15日
Published Date 1957/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201808
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1つの宿場町と2つの純農村が合併した人口2万ほどのNという町がある。この町の旧町域ではかねてから母子愛育について町の人々の関心がたかく,乳幼児をもつ700余の家庭が10〜20世帯くらいずつの単位で母子愛育班をつくり,班グループ毎に,或いは愛育班長連絡協議会で練られたプランによつて,育児講習や定期的な健康診断,座談会,愛育機関誌の発行,母子衛生大会,研究発表会など数々の愛育活動を活溌におし進めていた。
ところが2年程まえ,同じ町の村落部で,1人の婦人がいきなり人工妊娠中絶の結果死亡するという事例が起つた。愛育思想の高い土地柄と,人工妊娠中絶の経験者もご多分に洩れず多いことなどから,この話は町の婦人たちに非常な衡撃を与えた。
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