増刊号 急性期における疾患別作業療法
第2章 急性期脳卒中患者に対する作業療法
3 —急性期脳卒中患者に対する上肢運動機能への介入①—徒手介入
細川 純子
1
,
門川 泰輔
1
Junko Hosokawa
1
,
Taisuke Kadokawa
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)星ヶ丘医療センター
pp.818-823
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203460
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はじめに
脳卒中は高所得国において,3番目に多い死因であると同時に,約80%に運動障害が生じるとされている1).その中でも上肢運動機能の改善は,患者からの要望も強く,ADLにも大きく影響する課題であり,急性期から二次障害や予後予測を考慮した対応が必要である.
『脳卒中治療ガイドライン2021』2)では,麻痺側上肢を強制使用させる訓練等,特定の動作の反復を含む訓練や,ロボットを用いた訓練,神経筋電気刺激や運動イメージ等を用いた介入が上肢運動機能への介入として推奨されている.しかし臨床においては,対象者の全身状態や安静度,希望等の個別性を考慮し,多角的な上肢介入を行う必要がある.
本稿では,麻痺側上肢へ介入する際に配慮すべき急性期脳卒中患者の特徴や問題点について述べ,それらに対し,機器等が整備されていない病院・施設でも可能な徒手・運動療法の介入や日常生活への麻痺側上肢参加の工夫について述べる.
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