増刊号 急性期における疾患別作業療法
第2章 急性期脳卒中患者に対する作業療法
4 —急性期脳卒中患者に対する上肢運動機能への介入②—肩の痛みとポジショニング
三瀬 和彦
1
Kazuhiko Mise
1
1甲府城南病院
pp.824-829
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203461
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はじめに
脳卒中発症後,急性期から生活期のどの時期においても肩に痛みが出現する可能性は高い.片麻痺患者の肩の疼痛の発生率は72%とする報告1)をはじめ,脳卒中後の肩の痛みに対する報告は数多くあり,それらに対する介入は非常に重要である.また,肩の疼痛と入院期間の長さ,上肢の筋力低下,上肢機能の回復の少なさ,ADL,自宅復帰率の低さとの間に強い関連があることも報告され,肩の痛みとその要因,介入効果について,さまざまな視点での研究報告がなされている1).
今回は,脳卒中急性期における麻痺側の肩の痛みの要因を,肩関節の特性と姿勢および運動調整の視点から捉え,重要な介入の一つであるポジショニングについて,症例を交えて述べていきたい.
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