増刊号 こんなときどうする? 運動器の作業療法ナビ
第2章 運動器に現れやすい症状と改善方法
5 感覚・知覚機能の回復に向けた作業療法
蓬萊谷 耕士
1
Koji Horaiya
1
1関西医科大学
pp.745-749
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203052
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はじめに
手の知覚は,物品の素材や形状,重さの識別のみでなく,力のコントロールをはじめとする運動制御にも大きくかかわる.
運動器疾患における知覚障害は,末梢神経障害や脊髄障害等,多岐の病態で生じ,臨床上経験することが多い.知覚機能障害による識別機能低下や物品操作困難により,ADL障害が生じ,しびれや疼痛等の異常知覚により心理的側面に影響し,QOLの低下にもつながる.そのため,知覚障害へのアプローチは治療上重要な位置づけとなる.
そこで,本稿では運動器疾患,中でも末梢神経障害で生じる感覚・知覚障害の症状別アプローチについて概説する.なお,知覚評価や疼痛へのアプローチについては別稿で取り上げられているので,本稿では知覚鈍麻(消失)と知覚過敏に絞って述べる.
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