一頁講座 リハビリテーション関連用語集(7)
知覚と感覚
才藤 栄一
1
1東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科
キーワード:
感覚
,
知覚
,
認知
Keyword:
感覚
,
知覚
,
認知
pp.753
発行日 1991年7月10日
Published Date 1991/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106870
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人間の情報処理の階層的構造(認知の水準)を感覚-知覚-認知という流れで把握しようとする考え方がある.その際,体の内外の環境変化,すなわち刺激(stimulus)によって即時的に惹き起こされる意識内容を感覚(sensation)といい,意識された内容が過去の経験や学習に基づき意味あるものとして解釈される場合に知覚(perception)あるいは統覚(apperception)といった.さらに単一の感覚種を越えて,概念として対象物が何であるか分かることを認知(cognition)といった.そして,感覚の障害は「要素的感覚障害」であり,知覚(統覚)の障害は「失認」であった.
上記の説明に異論が存在することは承知だが,少なくとも以下のことは言えよう.つまり,感覚は知覚より認知過程の前段階である点,感覚が受動的-外因的であるのに対し,知覚が能動的-内因的である点,また両者とも単一感覚種内の機能を意味するという点では諸家の意見は一致していた.
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