特集 認知症最前線
扉
村井 千賀
1
,
中村 春基
2
,
長野 敏宏
3
1石川県立高松病院
2日本作業療法士協会
3御荘診療所
pp.1449
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202794
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特集にあたって
認知症を取り巻く環境は刻々と,大きく変化している.診断名の変更や新たな認知機能障害を引き起こす疾患の発見があり,治療についても遺伝子レベルへと大きく進歩しつつある.一方では,国を挙げての多岐にわたる認知症への取り組みがなされ,かつ総合的に推進されているところである.また先般,医療・介護の専門職だけではなく,地域を構成するあらゆる団体や機関が参加し,「認知症の人が住み慣れた地域で生活する」ため社会構造を変えるような取り組みが進められている.さらに,認知症といわれた当事者が主体となり,自らの体験を語ることを通して,社会に対し大きく働きかけを行い,認知症を取り巻く文化を変えようとしている.
さて,このように時流が大きく変化する中,私たちOTはどのような技術をもって,一人ひとりの患者に向き合い,医療・介護に貢献するのか.また,その人と共に暮らしてきた人々や住んでいた地域に,いかに働きかけていくのか.作業療法士という国家資格をもって,何をよりどころに活動を展開していくのか.本特集では,各界の先駆者の方々からの提案を基に,その最前線の先を考える機会を提供したい.
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