特集 認知症の訪問作業療法
扉
村井 千賀
1
,
長野 敏宏
2
,
山本 伸一
3
1石川県立こころの病院
2御荘診療所
3日本作業療法士協会
pp.435
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590050435
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特集にあたって
認知症のリハビリテーションについては,新オレンジプランの中で,「認知症の人の実際に生活する場面を念頭に置きつつ,有する認知機能等の能力をしっかりと見極め,これを最大限に活かしながら,ADL(食事,排泄等)やIADL(掃除,趣味活動,社会参加等)の日常の生活を自立し継続できるよう推進する」とされ,これを推進するため,今後,さらなる認知症のリハビリテーションの研究をしていくことが認知症施策推進基本計画の中でも明記されている.
日本作業療法士協会では,令和4〜6年度,老人保健健康増進等事業「訪問による効果的な認知症リハビリテーションの実践プロトコルの開発研究」に着手し,その効果を明らかにしてきた.本事業の結果から,令和6年度介護報酬改定において,訪問リハビリテーションにおける「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」が評価された.特に,医療におけるプロトコルとは,特定の疾患や症状に対する標準的な医療手順を定めたガイドラインであり,医療の標準化と質の向上,医療従事者による一貫した対応,患者に対する医療の質の均一化を目的とするものである.今回,認知症関連学会の医師等からなる委員会において,さまざまな意見をいただき,実際の臨床での取り組み事例を通して,訪問における認知症作業療法のプロトコルを開発した.

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