増刊号 脳卒中の作業療法 最前線
第3章 支援技術Ⅱ 急性期から回復期の個別性を重視した介入(事例報告)
4 —上肢機能へのアプローチ①電気刺激装置(IVES等)—片麻痺改善に有効な電気刺激療法
加藤 貴志
1
,
宗安 佑陽
1
,
渡辺 美月
1
,
渡辺 真弓
1
Takashi Kato
1
,
Yuya Muneyasu
1
,
Mitsuki Watanabe
1
,
Mayumi Watanabe
1
1井野辺病院総合リハビリテーションセンター
pp.868-872
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202626
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はじめに
「脳卒中治療ガイドライン2015」1)では,中等度の麻痺筋(手関節背屈,手指伸筋)に対する電気刺激はグレードB「行うよう勧められる」とされており,そのエビデンスが認められている.このエビデンスの基礎となった研究は,筋電トリガー電気刺激(以下,EMG-ES)の効果を検討したものである.EMG-ESでは筋電図搭載の電気刺激装置を用い,手関節背屈等の随意運動を筋電図で検知する.そしてその運動を増幅するように電気刺激を負荷することで機能改善を図る手法である.本邦でも多くの研究がなされており,EMG-ESの発展型である随意運動介助型電気刺激(integrated volitional control electrical stimulation:IVES)も開発されている.本稿ではIVESを中心に,片麻痺改善に有効な電気刺激について述べる.
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