Japanese
English
実験法
電気刺激装置
Electronic stimulator
竹内 昭
1
Akira Takeuchi
1
1東大生理学教室
1Department of Physiology,Faculty of Medicine,Tokyo Univ.
pp.192-202
発行日 1956年7月15日
Published Date 1956/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901534
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まえがき
生体に対する刺激としては耳に対する音,目に対する光の如く,それぞれの器官に対して適当な刺激があり,これ等の刺激を用いて多くの研究がなされている。しかし生体のすべての器官に対して最も普遍的な刺激としては電気刺激が多く用いられている。この理由は第一に電気刺激は刺激條件を厳密に規定できること。第二に過度に強い電気刺激を用いなければ,同一の生体もしくは器官に何回も刺激を与えることが可能なこと。第三に電気刺激が生体の興奮の機序と密接な関係があることである。又電気刺激を行う目的には,1)生体を単に興奮させる手段として用いる場合,2)電気刺激の條件を変えて生体の興奮性を研究する場合3)電気刺激を与えて器官の機能を変化させる場合がある。1)の場合には電気刺激によつて生体が興奮すればよいのであつて,刺激條件は特に厳密に規定する必要がない。2)は刺激生理学の立場であつて,この場合には刺激電流の波形が一定でありその持続時間,強さ等が任意に変えられねばならぬ。3)には電気治療が属するがここでは主に1)及び2)の場合に用いられる方法に就いて述べることにする。
電気刺激の方法は古くから多くのものが考案され,特に一定の波形を得る為には種々の苦心がなきれている。例えば短い直角電流を得る為にG.Weissは弾丸を発射して二本の導線を切断しその間だけ電流を流す方法を用いた。
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