特集 物理療法の有効性とリスク管理
電気刺激療法の有効性とリスク管理
烏野 大
1
,
千賀 富士敏
1
,
太田 厚美
1
Karasuno Hiroshi
1
1伊藤超短波株式会社学術部
pp.99-106
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100250
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電気刺激療法は,刺激波形や周波数により名称が異なる.刺激波形により経皮的電気刺激(transcutaneous electrical nerve stimulation:TENS),高電圧パルス電流(high voltage pulsed current:HVPC),直流,干渉電流,マイクロカレント,ロシアン電流,ダイアダイナミック電流などに分類されている.また同様の電気刺激波形を用いていても,治療方法により治療的電気刺激療法,機能的電気刺激療法に分類される.これは,多分野の研究者により電気刺激療法の生体に及ぼす効果が研究された結果でもある.
これらの電気刺激療法は運動神経や知覚神経または筋や軟部組織に対して電気的に刺激を加えることで,生体の反応を促通または抑制する.これらの反応には,多くの共通したメカニズムが働いていると考えられる.電気刺激療法を利用することで,①鎮痛効果,②浮腫の改善,③筋緊張の緩和,④関節可動域の改善,⑤筋力増強,⑥痙性の抑制,⑦麻痺筋の促通,⑧歩行機能の改善,⑨治癒の促進,⑩血流の促進などの効果が得られることが示されている.本稿においては,電気刺激治療器を使用する際に必要な電気的な基礎知識とTENSの有効性および電気刺激が中枢に与える効果を中心に解説する.
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