特集 脳卒中後上肢麻痺に対するEBPの実際
扉
竹林 崇
1
,
中村 春基
2
,
山本 伸一
3
1大阪府立大学
2日本作業療法士協会
3山梨リハビリテーション病院
pp.1363
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202333
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特集にあたって
作業療法において,脳血管障害後に呈する上肢麻痺に対するリハは,対象者の幸福感やquality of lifeに大きな影響を与えると報告されている.脳血管障害後に呈する上肢麻痺に関するリハの歴史は長く,従来は主に神経筋促通術等を中心とした経験を基盤としたアプローチが対象者に提供されてきた.しかし,2000年以降は,臨床研究や疫学研究の結果示されたエビデンス(証拠)を基盤としたevidence based medicineの台頭により,ガイドライン等をはじめとしたエビデンスに基づいた作業療法が求められている.実際,2004年から世界作業療法士連盟も,evidence based occupational therapy(EBOT)の推進に力を入れている.
EBOTを進める際には,1)患者の病態と周囲を取り巻く環境,2)患者の意向と行動,3)その領域におけるエビデンス(証拠),4)医療者の臨床経験,が必要とされている.本特集では,脳血管障害後に呈する上肢麻痺に対するアプローチのエビデンスと実践について,網羅的に示している.本特集が,読者の臨床におけるEBOT推進の一助となることを願っている.
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