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特集 脳卒中後上肢麻痺に対するEBPの実際
作業療法におけるEvidence Based Practice—身につけておきたい基礎知識
Evidence based practice in occupational therapy
友利 幸之介
1
Kounosuke Tomori
1
1東京工科大学
pp.1364-1369
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202334
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Key Questions
Q1:Evidence based practice (EBP)とは何か?
Q2:EBPはどのように行われているか?
Q3:EBPにおける意思決定とは?
はじめに
Evidence based practice(EBP)を少し学んだことがある読者であれば,作業療法でEBPを実践するのは困難であることは容易に想像がつくだろう.そもそも作業療法プロセスは不確実性が極めて高い.また質の高いエビデンスの数自体が圧倒的に少ないこともあり1),EBPがなかなか現場に浸透していかない現状がある.これは筆者もある意味仕方がない部分もあると考えている.
しかし今回のテーマである脳卒中後の上肢麻痺に限っては,これらの免罪符は通用しない.なぜなら,課題指向型練習やCI療法(constraint-induced movement therapy)等,さまざまな職種によって膨大なエビデンスが蓄積されているからである.むしろ,これらのエビデンスを積極的に活用し,作業療法が上肢麻痺に貢献できることをアピールしてもよいくらいである.本特集によって,上肢麻痺におけるエビデンスと実践のギャップが少しでも埋まることを期待するとともに,上肢麻痺に携わっていない読者においても,これを題材としてEBP自体について理解が深まることを期待したい.
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