特集 心臓リハビリテーションの今—重複障害に対する作業療法
扉
高岡 宏
1
,
中村 春基
2
,
山本 伸一
3
1松山赤十字病院
2一般社団法人 日本作業療法士協会
3山梨リハビリテーション病院
pp.1161
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200403
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
特集にあたって
2014年度(平成26年度)の診療報酬改定において,心大血管疾患リハに,念願であった「作業療法士」の職名が追記された.このことからも心臓リハにおいて,OTへの期待がますます高まっていることがうかがえる.職名追記から約1年半が経過したが,「心臓リハビリテーションの今」と題した本特集では,まず上月正博先生より「心臓リハビリテーションにおける重複障害」として,超高齢社会・在宅生活を送る高齢者の増加等の背景,重複障害時代の心臓リハの役割,そこで拡大するOTの役割等を解説していただいた.さらに他の稿では心腎連関,精神・心理的側面への支援,ADL動作(入浴)の実際,在宅生活での心臓リハ等について紹介されている.
高齢で障害・疾患をもつ方のうち,重複障害者が占める割合は少なくなく,さまざまな既往をもつ患者・利用者に対し,現疾患に関する知識だけでは対応できない時代になってきている.なかでも心疾患を既往にもつ高齢者は多く,“心臓リハ”という名称が一般的となる以前から,OTはそのような方々と向き合ってきた.また現在,OTの心臓リハビリテーション指導士は50名あまりであるが,さらなる合格者の増加が期待される.今後のOTによる発展的な取り組みのためにも,本特集が読者の皆様の参考になれば幸いである.
Copyright © 2015, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.