特集 急性期・ICUでの作業療法
扉
吉澤 いづみ
1
,
中村 春基
2
,
山本 伸一
3
1東京慈恵会医科大学附属病院
2日本作業療法士協会
3山梨リハビリテーション病院
pp.7
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201561
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2018年(平成30年)の診療報酬改定で,ICUにおける多職種による早期離床・リハビリテーションの取り組みにかかわる評価として早期離床・リハビリテーション加算が新設された.かつて,急性期病院に入院し加療の後,リハビリテーション専門病院に転院してからリハビリテーションを行っていくという考え方が一般的であった.しかし,近年,急性期リハビリテーション医療の重要性が報告され,ICUやSCUにおいても早期より多職種連携による患者支援の取り組みが増えてきている.
日本リハビリテーション医学会では,リハビリテーション医学・医療の意義として,“機能を回復する”,“障害を克服する”ことに加え,ヒトの営みの基本である“活動”に着目し,その賦活化を図る過程をリハビリテーション医学の中心とするという考え方から“活動を育む”ことを提唱している.まさにOTの力が発揮できる領域である.早期離床や拘縮予防に対するリハビリテーション治療にとどまらず,急性期から患者の自発性を引き出し,活動を広げていくことが作業療法に求められており,OTの責務として取り組むべき課題であると考える.急性期から積極的なリハビリテーションを行うためには,病態の把握,鎮痛管理等,他職種に負けない医学的知識を有することが大切であり,十分なリスク管理下で作業療法を行うことで患者の自発性を引き出し,活動を向上させることができる.
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