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はじめに
竹田綜合病院精神科(以下,当科)は,2007,2008年度(平成19,20年度)に厚生労働省障害者保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト),2009,2010年度(平成21,22年度)に福島県精神障がい者地域生活移行特別対策事業を受託し,地域移行支援活動を行い,248床の精神科病床を,病院建て替えを契機に144床までに削減した.この活動を通し,市町村や保健福祉事務所,グループホーム(以下,GH)等の福祉関係者,相談支援事業所,就労支援関係者等との協働関係,ネットワークを構築することができた.この取り組みは以後,2014年(平成26年)に会津精神保健福祉連絡協議会にて保健医療福祉の連携強化を目的とした精神保健福祉に関するワーキンググループへと発展した.地域生活患者が増えれば当然,救急のニーズも増大するため,会津地域における精神医療の基幹病院として会津若松市の24時間相談支援事業,県の精神科救急情報センター等との連携のもと,24時間365日救急体制を確立した.また,二次医療圏である会津・南会津地方において,身体合併症を有する精神科患者の受け入れを行っている.2013年(平成25年)に福島県より当院は認知症疾患医療センターの指定を受け,会津地域の中核病院として急性期の認知症患者を受け入れている.院内の緩和ケアチームに精神科医師・公認心理師も所属している.2016年度(平成28年度)からは当院が立ち上げた精神科コンサルテーション・リエゾンチーム(以下,精神科CLT)に加わり,活動を開始した.総合病院の特徴を活かし,精神疾患と身体疾患を合併した患者にも十分に対応できる体制になっている.今回は,急性期から退院を念頭に置いたリハについて,リハ部,精神科,こころのリハ課,精神科CLTの取り組みを紹介する.また,精神科CLTでかかわった患者を通じて,当院の精神科作業療法に求められる役割を述べる.
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