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Ⅰ.はじめに
我が国の精神医療においても,近年,地域ケアの重要性が注目されると共に,リハビリテーション思想が導入されて,入院治療一辺倒の精神医療からの脱皮と共に,対応の多様化が期待されつつある今日である.
リハビリテーション・システムの一環としてのデイ・ケアのあり方について,関心が高まりつつあるが,現在ある日本のデイ・ケアの形態は,
1)精神病院に付設したデイ・ケア
2)社会復帰施設の中にあるデイ・ケア
川崎社会復帰医療センター
世田谷リハビリセンター
岡山内尾センター
以上3ヵ所
3)保健所や精神衛生センター内デイ・ケア
4)独立した施設としてのデイ・ケアと,以上4形態である.これら4形態のうち,1)の病院内デイ・ケア,3)の保健所デイ・ケアの形態が,順次,増加する傾向にある.
デイ・ケアは,プレ・ホスピタル・ケア(pre-hospital care)と,ポスト・ホスピタル・ケア(post-hospital care),つまり,入院前,あるいは入院を要さない対象者のケアと,入院後の対象者のケアと双方の機能を有するが,実際には,ポスト・ホスピタル・ケアが行われているところが大部分で,プレ・ホスピタル・ケアの機能は充分果たされていない現状である.
当国立精神衛生研究所デイ・ケアでは,長年,独立したデイ・ケアとしての役割りを,地域において,果たしてきたが,昨年7月より,前記の分類1)に当る病院に付設したデイ・ケア(国立国府台病院デイ・ケア)として発足した.
従来,当デイ・ケアは,地域のデイ・ケアとして,プレ・ホスピタル・ケアの機能も果たしてきており,独立したデイ・ケア施設としての特徴が顕著であると思おれる.
ここで,当研究所デイ・ケアの歴史的経過と現状を報告し,併せて,作業療法士の役割りについて述べてみたい.
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