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特集 訪問での精神科作業療法
精神科における訪問での作業療法士の役割
The role of occupational therapists in psychiatric visits service
香山 明美
1
Akemi Kayama
1
1東北文化学園大学
pp.1234-1240
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001204013
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Key Questions
Q1:精神科における訪問での作業療法士の現状は?
Q2:精神科における訪問での作業療法士の役割は?
Q3:精神科における訪問での作業療法士のこれからのあり方は?
はじめに
筆者の40年にわたる作業療法士人生で,初めて訪問を行ったのは,30年ほど前になる.それは,市の保健師からの依頼で,陽性症状が激しい統合失調症の患者さん宅に訪問し,かかわりの可能性を探るものであった.いわゆる未受診者を治療へとつなげていく訪問を保健師と行ったのである.訪問を継続しながら本人との関係性構築を試みていった.不思議なことに,彼女は訪問するスタッフを拒まなかったのである.孤独の中で誰かを求めてもいたのである.それ以来,筆者は,地域で生活する対象者の支援のあり方を模索することになっていった.
精神科において作業療法士が,対象者の生活の場で支援を行うことは,その特性から至極当然のことである.作業療法士が,対象者の地域生活を支援する職種として有効に機能するためには,入院中の退院前訪問,退院後の訪問支援を他職種と連携しながら積極的に展開していく必要がある.
本稿では,精神障害者の地域生活支援のあり方やアウトリーチに関する国の施策の変遷と,作業療法士による訪問活動の実践を振り返り,その中からみえてきた作業療法士の役割を整理し,今後に向けた課題を示す.
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