とびら
ある精神病院内での作業療法討論会より
大橋 博
1
1三重県立高茶屋病院
pp.310-311
発行日 1974年5月15日
Published Date 1974/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100830
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昭和45年~46年に,M県のT病院生活療法部では,精神科作業療法の問題点を洗いだしてそれを解明すべく,職種を問わず広く全病院職員を網羅した自由参加形式の作業討論会を,多数の参加者を得て計10回に亘って開催された(内容後述).
これと並行して患者自治会による作業討論会も実施されたが,第1回目で意見が出つくして2回目では参加者も少なく,精神病者の特色でもある言葉で表現するのが不得手,さらには問題点を把握する能力が低下している等で討論が進展しにくく,さりとて職員が討論に関与するのも患者の自由な発言を妨げる恐れもあり,患者の真の声を聞くためには無記名で自由に書けてしかも表現しやすいように質問事項を設けたアンケート方式がよい.そしてその様式作製を患者自治会のみでなく,職員も援助してほしいとの要望が患者側より出された.よって患者自治会と生活療法部職員との共同作業で質問用紙を作製して,作業に参加している全患者(320名)を対象にしたアンケート調査で患者の声を問うたので,まずその内容を紹介する.
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