けんさアラカルト
院内における細菌検査室の役割
重光 昌信
1
,
伊藤 千秋
1
,
野神 道栄
1
1広島市立安佐市民病院臨床検査部
pp.478
発行日 1985年5月1日
Published Date 1985/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203355
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一般に,臨床検査部門の細菌検査室では,臨床材料からの細菌培養・同定,感受性試験が中心で,それに伴う培地の作製・滅菌・消毒などが日常業務となっている.その一部は,市販の生培地や同定のキットの使用により,徐々に省力化されつつある.特に,多数検体を扱う施設では,機械化が進み,従来の細菌検査室とはかなり様相が変わってきているようである.同時に,しばしば変化する細菌の分類や,新しい菌種の報告に対応するために,知識・技術の習得に追われる毎日である.
以上のような日常業務のほかに,もう一つの重要な役割が細菌検査室にはある.当院では,5年前の開院と同時に,「院内感染対策委員会」が設置され,検査部からは細菌検査担当者が,その一員として加わっている.この委員会が中心になっている院内感染対策のための検査業務は,かなりの量である.開院前から始めた病棟,手術室などの落下細菌および滅菌水の検査と,給食・売店・食堂・産科病棟職員の検便は,毎月1回続けている.そのほかに,滅菌ガーゼやケーパインなどの抜き打ち検査も必要に応じて行っている.また看護部門において,消毒・滅菌に対する関心が深く,思わぬ質問や検討依頼が持ち込まれる.
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