増刊号 精神科作業療法
第2章 時期別の作業療法
1 急性期の作業療法
小林 正義
1
,
島田 岳
2
Masayoshi Kobayashi
1
,
Takeshi Shimada
2
1信州大学
2メンタルサポートそよかぜ病院
pp.770-775
発行日 2020年7月20日
Published Date 2020/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202178
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
精神病床の平均在院日数は2018年(平成30年)末の報告では274.7日とされ,10年間に52.5日短縮したものの,全病床の平均29.1日と比較すると極端に長い1).一方で新規入院患者の入院期間は短縮傾向にあり,約90%が1年以内に退院している1).スーパー救急病棟や急性期治療病棟では3カ月以内の退院が目指されやすく,作業療法においても長期在院者に加えて急性期の短期入院患者を対象とする機会が増えている.しかし,退院した患者の再入院率は退院後6カ月時点で約30%,1年時点で約37%と高い水準にあり1),短期入院治療の充実と再発・再入院予防,地域移行・定着に向けた支援が求められる.本稿ではこうした動向を踏まえつつ,統合失調症患者に対する短期入院治療を想定した作業療法のあり方を述べる.
Copyright © 2020, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.