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特集 私が考える精神科作業療法の未来
—私が考える精神科作業療法の未来2—統合失調症のリカバリーと予防を考える
Recovery and prevention of schizophrenia
島田 岳
1
,
伊藤 翔子
1
,
眞壁 彩
1
,
古市 美幸
1
,
山主 あゆ美
1
,
竹中 愛美
1
Takeshi Shimada
1
,
Shoko Ito
1
,
Aya Makabe
1
,
Miyuki Furuichi
1
,
Ayumi Yamanushi
1
,
Ami Takenaka
1
1医療法人清泰会メンタルサポートそよかぜ病院
pp.1313-1316
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201932
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Key Questions
Q1:統合失調症のリカバリー支援におけるOTの役割は?
Q2:統合失調症の予防支援におけるOTの役割は?
Q3:精神保健領域の作業療法の今後の課題は?
はじめに
本特集のテーマをいただいたときに,いつの未来かわからないが,精神疾患を予防・根治できる方法ができていて,精神疾患による苦痛を感じる人がいなくなればいいと思った.もう少し近い未来には,作業療法の思想は残っているだろうが,作業療法自体はなくなっていることが望ましい.しかし,より近い未来を考えたときにはそうはいかない.
筆者がOTになって1年目に,長期間入院していた方から,茄子の絵の横に「大きな大きな不安の中に小さな小さな希望が生きている」というメッセージが添えられた手づくりのポストカードをいただいた.その希望を大切に育んでいけるような未来を期待したい.障害が可能なかぎり改善されるとともに,その人が希望をもって満足のいく生活を送れるようになることが目標となる.そのためには,理想を語ることも大事だし,具体的な方法論も大事である.
現在,筆者は精神科病院に勤務し,統合失調症をもつ人とかかわることが多い.本特集のテーマをみて思い浮かんだのは,「リカバリー」と「予防」であった.本稿では統合失調症を中心にこれらのキーワードについて概観し,医療機関の立場から作業療法の未来を考えてみたい.なお,本稿は筆者の個人的な見解であることをお断りしておく.
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