学会長・学会運営審議会・学術集会長の言葉
第54回日本作業療法学会開催にあたって
石川 隆志
1
1秋田大学大学院医学系研究科
pp.480-481
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202098
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第54回日本作業療法学会を新潟市の朱鷺メッセ新潟コンベンションセンターにて開催します.学会テーマは「作業の魅力・作業の力〜暮らしを支える作業療法の効果〜(The Attractions and Potentiality of Occupation—The effect of Occupational Therapy supporting people's daily life—)」です.このテーマは,第51回日本作業療法学会(東京)の「作業療法の挑戦—多様化するニーズに応える理論と実践」,第52回日本作業療法学会(名古屋)の「根拠に基づいた作業療法の展開」,第53回日本作業療法学会(福岡)の「作業療法研究のターニングポイント」という,理論,実践,根拠,研究を重視する流れを継承しつつ,2018年(平成30年)5月に改定された日本作業療法士協会の作業療法の定義を強く意識して設定しました.
定義では,OTがより作業に焦点を当てた治療,指導,援助を行う専門職であることが明示されました.作業に焦点を当てた実践には,心身機能の回復,維持,あるいは低下を予防する手段としての作業の利用と,その作業自体を練習し,できるようにしていくという目的としての作業の利用,およびこれらを達成するための環境への働きかけが含まれます.作業療法の対象者は多様な疾患,症状,背景を有しており,OTには,医学の知識と医療技術を活用して,対象者の心身機能を回復あるいは維持,向上することのみならず,その人固有の暮らしを重視し,社会との調和が図られるように支援することが求められています.
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