- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
第49回日本作業療法学会は2015年(平成27年)6月19日(金)〜21日(日)兵庫県神戸市で開催致します.テーマは,「温故知新〜五十路を還り 将来を展ぶ〜」とし,会場は神戸ポートピアホテルと神戸国際展示場を使用します.49回目の学会ですが,総会の累計では50回目の記念すべき学会です.「温故知新」は広辞苑では,「(論語)故(ふる)きを温(たず)ね新しきを知る,以て師と為る可し(古い事柄も新しい物事もよく知っていて初めて人の師となるにふさわしい意)昔の物事を研究し吟味して,そこから新しい知識や見解を得ること」とされています.この50年は日本における作業療法の創生期,発展期,定着期と進んできました.欧米からの知識と技術の輸入や日本で行われていた方法との融合,日本の文化にあった作業療法の創生等,先人は試行錯誤しながら世界有数の高いレベルの作業療法をつくり上げてきました.この過程を吟味して新しい知識や技術を付け足して作業療法が伸び広がってほしいという学会関係者の願いを込めています.学生時代に参加した第1回作業療法学会から作業療法を見続けてきた学会長として,記念すべき年に開催する歴史に残る学会を行いたいと思います.プログラムは一般社団法人兵庫県作業療法士会の会員による学会実行委員会で表のように確定しました.皆様にわかりやすいように3日に分けてプログラムを記載しています.そのほかに一般演題,機器展示が行われます.
学会長講演では,臨床に出て多くを学んだ経験から将来の期待を述べます.特別講演は恩師で作業療法の理解者,欧米の福祉用具,作業療法情報を絶えず発信して叱咤激励してくださる澤村誠志先生に「私の行ってきたリハビリテーション実践と作業療法に期待すること」を講演いただきます.また,私自身ライプツィヒ,横浜,神戸の講演で感銘を受けた山海嘉之先生にお忙しい中「革新的ロボット技術との融合による未来のリハビリテーション」の講演をお引き受けいただきました.高名で作業療法を理解してくださる先生方の講演を拝聴できるのは幸いなことです.招待講演はDiane J. Atkins先生による「義手の過去・現在・未来」です.先生は国際学会で常に「OTのAtkinsです」と前置きして講演や質問を行っています.他にも実行委員の若手の先生方が,ぜひ聴きたいと思えるテーマと講演者を企画してくださいました.教育講演「デュシェンヌ型筋ジストロフィーの最新治療法」,「リハビリテーション栄養〜栄養ケアなくして作業療法なし」の2演題,テーマシンポジウム「温故知新—歴代協会長からの提言」,「作業療法の未来と展望」ほか3演題,国際シンポジウム2演題(「異文化における作業療法」,「アジアの作業療法の現状は今!〜韓国,台湾,フィリピンの場合〜」)および各領域のシンポジウム10演題,セミナー10演題を準備しています.市民公開講座は20日に「住み慣れたまちで生きていく—地域包括ケアの実践」,21日に「認知症と生きる—科学的なケアを実践できる社会づくり」と今日的なテーマで開きます.
Copyright © 2015, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.