視点
安芸福祉保健所自殺未遂者相談支援事業と「農福」連携による就労支援
公文 一也
1
1高知県安芸福祉保健所
pp.165-170
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202007
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
筆者は県保健所に勤務するOTである.保健所では県民の健康を守るさまざまな業務が実施されているが,その中で筆者は自殺対策にかかわることができた.自殺対策は社会が抱えるありとあらゆる問題に対応することであり,一機関で担えるものではなく,関係機関が連携して,それぞれが得意とする専門性を発揮してこそ効果的である.その連携をうまく活用するためには,日ごろからの業務でお互いが顔の見える関係を維持していかなければならない.
安芸福祉保健所(以下,安芸保健所)では,自殺予防ネットワークを母体として,2017年(平成29年)1月から安芸市で自殺未遂者相談支援事業を始め,10月から圏域全体に拡大した.事業拡大後,2019年(令和元年)3月末現在,自殺未遂が14件発生し,全事例で再企図はゼロとなっている.また,ひきこもりや自殺未遂者相談支援事業における地域の連携やネットワークから,副産物であるが就労支援事業の農福連携も開始された.
本稿では,県保健所における自殺対策と就労支援の経緯と実践の報告を行いたい.
Copyright © 2020, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.