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第1土曜特集 自殺の予防と危機・救急対応――新たな局面を迎えた日本の自殺対策にどう対応するか
危機・救急対応の現状
自殺未遂者の理解と分類
Understanding and classification of suicide attempter
川畑 俊貴
1
Toshitaka KAWABATA
1
1医療法人稲門会いわくら病院
キーワード:
衝動型自殺
,
うつ病型自殺
,
虚無型自殺
,
決意型うつ病
Keyword:
衝動型自殺
,
うつ病型自殺
,
虚無型自殺
,
決意型うつ病
pp.79-83
発行日 2021年10月2日
Published Date 2021/10/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2790179
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精神科救急は自殺未遂直後の人をはじめ,自殺を心配される人が,たくさん受診される.自殺未遂歴や精神病は自殺の重大なリスクファクターであり,自殺への対応は精神科救急の大きな課題である.うつ病や統合失調症などの精神疾患が自殺の直接的原因である人は多いが,彼らが死にたくなる背景には経済破綻や対人ストレスなどの現実的な問題がかならずある.これは自殺再発の火種となるので,精神科救急では疾患治療に加えて,治療の最初から現実問題への介入を意識して進めていく必要がある.うつ状態や統合失調症による自殺念慮は多くの場合予測できる.しかし,幻覚・妄想で思考が混乱したり,小さなパニックを繰り返したりする事例のなかには,その自殺をまったく予測できないことがある.いわゆる衝動的な自殺である.うつ病などによる自殺は丁寧にコミュニケーションをとることが自殺防止の基本となるが,衝動的な自殺についてはすべての思考混乱事例,パニック事例に自殺の可能性があると意識することが自殺防止のスタートとなる.
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