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Key Questions
Q1:リハの効果をどのように捉えるべきか?
Q2:運動症状,非運動症状に対する介入の現状は?
Q3:パーキンソン病のリハの課題は?
リハの有効性
パーキンソン病(Parkinson's disease:PD)に対するリハは,医師による治療と併せて行うことにより,症状の改善や生活の質の向上が期待されることが,日本神経学会による『パーキンソン病診療ガイドライン2018』1)において明確に示されている.以前のガイドラインでは,運動療法が運動症状の改善に有効であることが示されていたのみであったが,最新のガイドラインでは,作業療法,言語聴覚療法,音楽療法の有用性についても言及されている.
PDは緩徐進行性神経変性疾患であり,運動症状,非運動症状は徐々に進行し,日常生活動作(activities of daily living:ADL)に影響が及び,活動性が低下する.それに伴い二次性の機能障害が発生し,ADLの障害がより顕著になってくる.PDに対するリハは疾患早期から進行期まで継続して実施することが望ましい.Hoehn & Yahr(HY)1〜1.5の疾患早期のPD患者に対して2年間,年1回4週間の短期集中入院リハを投薬治療と併せて実施することにより,2年後の運動機能やADLが介入前よりも改善した状態を維持し,抗PD薬の増量が抑制されることが報告されている2).疾患早期からリハを実施することにより,症状の進行および抗PD薬の内服量増加を抑制する効果が期待され,抗PD薬の内服量増加に伴う副作用発生リスクの上昇や,医療費増加を抑制する意味でも,その意義は大きい.PDのリハの効果は,短期的な改善とともに,長期的な進行抑制(図 1)という視点でも捉えることが重要である.
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