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Key Questions
Q1:日本の地域におけるリハ医療整備元年とは?
Q2:2000年から現在までのリハの診療報酬の変化を要約すると?
Q3:回復期リハ病棟の成果とは?
日本のリハ医療の改革は1989年に始まった
1989年(平成元年)にリハ医療を提供する全国の病院幹部と日本リハビリテーション医学会の理事が協力し,日本における適切なリハ医療の発展を目的に,日本リハビリテーション病院協会(現在は日本リハビリテーション病院・施設協会)が設立された.当時の日本は「寝たきり老人」が社会問題となっていたころである.「寝たきり老人・寝かせきり老人」を生み出したわが国は,その解決を病院への長期入院という方法で対応していた.その結果,一般病床,精神病床,その他の病床ともに増加し続け,1990年(平成2年)には合計167.6万床という対人口比で世界最大の病床保有国となったのである(図1).
こうした状況下で活動を開始した日本リハビリテーション病院協会は,1991年(平成3年)に「地域リハビリテーションの定義」を公表し,1993年(平成5年)に「リハ専門病院の位置づけ」を発表し,各地域にリハ専門病院開設の必要性を訴えた.さらに1995年(平成7年)には「リハ医療のあり方(その1)」,1996年(平成8年)には「リハ医療のあり方(その2)」を作成し,ここではリハ専門病院ではなく,リハ専門病棟こそ必要と修正提言を行った.病院より病棟のほうが全国の津々浦々にリハ医療が普及すると考えたからである.また,1999年(平成11年)には厚生省老健局老人保健課との協働で「地域リハビリテーション支援活動マニュアル」を作成し,各都道府県で「地域リハビリテーション支援体制整備推進事業」が開始となり,全国各地に「地域リハビリテーション広域支援センター」が指定される等,地域リハ活動が積極的に展開されるようになった.さらに厚生省保険局医療課には「リハビリテーション専門病床群」の創設を要望した.厚生省は介護保険制度の施行にあたり,介護保険の適応とする以前に十分なリハ医療が提供される仕組みが必要と判断し,2000年(平成12年)4月に診療報酬の特定入院料として「回復期リハビリテーション病棟」の創設に踏み切ったのである.1989年の日本リハビリテーション病院協会設立から11年間の地道な活動が実ったと考えらえる.
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