連載 失敗事例に学ぶ 行動変容に必要なアプローチ・1【新連載】
行動変容理論を道具として上手に活用する
日下 慶子
1
,
里村 一成
1
,
中原 俊隆
1
1京都大学医学部公衆衛生学教室
pp.564-569
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101406
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連載のはじめに
近年,健康の概念として,疾患モデルに加えて健康モデルが重視されてきています1)。つまり,「どのように病気を管理するのか」という観点だけではなく,「どうすればより健康になれるのか」という健康増進の考えにも注目が集まっているのです。
保健行政においては,政策目標として「生活習慣病有病者・予備軍の減少」が掲げられ,2008(平成20)年度より特定健診・特定保健指導の制度が開始されました。この制度の特徴は,「1つひとつの疾病の早期発見・早期治療のための健康診断とそれに付加した保健指導」ではなく,「予防のための戦略的な健康診断と,効果的な保健指導」が推進されているという点にあります。
本連載の目的は,従来の老人保健法のもとで各自治体において行われてきた健康増進事業の現場から得られた事例を行動変容理論に沿って分析し,特定保健指導へのヒントを提供することです。
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