増刊号 発達障害の作業療法
第2章 発達障害の支援と作業療法—幼児期から青年期・成人まで
10 相談支援事業(成人・小児)
遠藤 真史
1
Masashi Endo
1
1NPO法人那須フロンティア 地域生活支援センターゆずり葉
pp.790-795
発行日 2018年7月20日
Published Date 2018/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201379
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
筆者が所属する地域生活支援センターゆずり葉(以下,ゆずり葉)1)は,栃木県那須塩原市,大田原市,那須町の地域で,病気や障害の有無に関係なく,誰でも利用ができる相談窓口として,地域住民にご利用いただいている.特徴的なのは,地域のさまざまな会議,集まり,イベント等を通じて日常的に地域住民,企業,行政等のさまざまな分野との交流があり,それらのつながりが障害者の地域生活支援の大きな基盤になっている.公共交通機関として電車,バスはあるものの,1日の運行本数が少ない等の制限もあるため,こちらから関係機関に出向いたり,利用者宅への訪問支援を中心に相談を受けている.事業内容は以下の通りである.
1)相談支援事業
委託相談支援:那須塩原市,大田原市,那須町,人口20万人の地域
指定特定相談支援:障害者(障害者総合支援法2)),障害児(児童福祉法)のサービス等利用計画作成
指定一般相談支援:地域移行支援,地域定着支援
2)地域活動支援センターⅠ型事業
地域課題に則した事業,訪問支援,グループ活動,ピアサポート,地域交流活動,啓発事業等
相談支援事業では年間の相談実人数250名の利用があり,そのうち約60名が発達障害で,幼児から成人までと年齢層は幅広い.行政窓口,療育機関,医療機関,中学校高校等の教育機関,広報誌からの紹介で来所となり,ケアマネジメントを中心に,定期的な訪問支援,外出訓練,グループ活動,家族との面談等を通して,これからの生活について一緒に考えていく支援を実施している.本稿では,ゆずり葉での相談事例を通して相談支援事業の役割や活用方法について考えていきたい.
Copyright © 2018, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.