増刊号 発達障害の作業療法
第2章 発達障害の支援と作業療法—幼児期から青年期・成人まで
9 発達障害者への就労支援
扇 浩幸
1,2
Hiroyuki Ogi
1,2
1指定特定相談支援事業所メノウ中野
2就労移行支援事業所ワークステーションJade中野
pp.784-789
発行日 2018年7月20日
Published Date 2018/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201378
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はじめに
2005年(平成17年)4月に「発達障害者支援法」が施行され,「自閉症,アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害,学習障害,注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」を「発達障害」と総称し,それぞれの障害特性やライフステージに応じた支援を,国,自治体,国民の責務と定めている.
また,障害者雇用にかかわる公的支援や事業主側の義務を定めた「障害者雇用促進法」が改正され,障害者法定雇用率を計算する際に,発達障害者も含めた精神障害者の人数も考慮することとなり,法定雇用率が2018年(平成30年)4月1日から2.0%から2.2%へと引き上げられた.これら最近の障害者施策背景を鑑みると,より一層発達障害者が働くための体制整備が求められていると感じる.
しかし,青年期,成人期における発達障害者への支援手法について確立し,公に示されているものはまだ少ない.障害福祉サービス,医療機関で就労支援に携わっている支援者も,試行錯誤をしつつ日々の支援をしている状況だと考えられる.本稿では,筆者の相談支援,就労移行支援の経験を踏まえ,制度,相談・支援の際のポイントをまとめた.
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