ひとをおもう・第2回
循環を支援する
齋藤 佑樹
1
1仙台青葉学院短期大学
pp.474
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201289
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マモルさんは,定年退職直後に脳卒中を発症しました.重度の片麻痺を抱えながら生きていく,これから始まる日々に悲観し,回復期リハ病棟入院後,最初の1カ月間は,ほぼすべてのリハを拒否し,毎日ほとんどの時間をベッドの上で過ごしていました.私はマモルさんのADL能力が少しでも向上するよう,根気強く丁寧なかかわりを続けました.最初は悲観してばかりだったマモルさんも,FIMの改善に比例して少しずつ前向きな気持ちを取り戻し,約4カ月後,いよいよ退院の日を迎えました.
「最初はもう俺の人生なんてどうなってもいいって思っていた.でもリハビリを毎日続ける中で,もう一度頑張ろうって思うことができた.ありがとな」とても清々しい表情で退院していくマモルさんを,病棟スタッフ全員で見送りました.
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