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Key Questions
Q1:障害がありながら初めて働くこととは?
Q2:就労継続支援にとって大切な観点とは?
Q3:働き続けることによる変化とは?
求められる働き方の変化
今日,就労場面の様相は様変わりしつつある.戦後に遡ると,国内では農地改革や労働改革,財閥解体が経済民主化政策の要として重要であった.農地改革では,総小作地の8割に及ぶ約194万町歩が解放され,その結果,農民の勤労意欲が高まり,農業生産力が向上,農民の所得も増え,購買力が増し,内需拡大となった.労働改革によっては,組合結成権,団体交渉権,争議権の労働三権の保有となり,経営者と労働者の対等な立場が確保された.財閥解体にしても,競争構造をもちこみ,新企業が参入する様相となった.これら就労場面における民主化の流れとともに,誰でも頑張れば自分の生活がよくなると,必死に働く時代背景があった1).
今日では,労働環境の改善が求められるようになり,企業だけでなく,国全体にかかわる課題として方策が示されるようになった.2016年(平成28年)9月,安倍晋三首相は,内閣官房に対して「働き方改革実現推進室」を設置し,国の方針として働き方改革の取り組みを提唱した.企業経営者はもちろん,労務管理者,労働者,またそれら周辺の関係者も含め,この改革により労働環境がどのように変わるのか,関心を高めつつあるのは,既知の事実であるかと思う.そもそもこの改革は,内閣によって「日本経済再生に向けて,最大のチャレンジは働き方改革である.(中略)一人ひとりの意思や能力,そして置かれた個々の事情に応じた,多様で柔軟な働き方を選択可能とする社会を追求する」2)と述べられている.
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