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特集 下部尿路機能障害に対する支援—その理解から具体的介入まで
—下部尿路機能障害を踏まえた作業療法士介入の具体例②—回復期リハビリテーション病棟での実践
Practice in convalescent rehabilitation ward
太田 有美
1
Yumi Ota
1
1大分リハビリテーション病院
pp.140-145
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201188
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Key Questions
Q1:下部尿路機能障害に対する取り組みの概要とは?
Q2:回復期リハ病棟における下部尿路機能障害の評価とは?
Q3:下部尿路機能障害を踏まえた作業療法士介入とは?
はじめに
回復期リハビリテーション病棟(以下,回リハ病棟)は,チームで積極的に患者の日常生活動作に働きかけ,改善を図り,家庭復帰を目的とした病棟である.患者が回リハ病棟に入院した当日には,リハ職は心身機能・活動面の評価を実施し,患者・家族の希望も踏まえ目標設定を行うが,その患者・家族からの希望や訴えの上位に挙がるのは,「一人でトイレに行けるようになりたい」,「一人でトイレに行けるようになってほしい」である.その希望に応えるためにも,排泄動作の獲得に向けた心身機能面・活動面の評価と介入は重要である.特に排尿は1日に複数回行う行為であり,QOLを高めるうえで重要である.
しかし,私たちOTは,尿失禁の有無には気づけても,頻尿や尿意切迫感等の排尿症状が活動・参加面に与える影響については議論していないことが多い.また,尿失禁に対しても,その尿失禁が改善するのか,それとも残存してしまうのかも十分に検討できていないと思われる.
本稿では,社会医療法人敬和会(以下,当法人)の下部尿路機能障害へ介入するための組織体制を述べる.続いて,看護職・介護職だけでなく療法士も下部尿路機能障害を評価・介入する取り組みと事例を紹介する.
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