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特集 下部尿路機能障害に対する支援—その理解から具体的介入まで
自立排泄支援に向けた紙おむつの選択とケアの考え方
Selection of disposable diapers and the concept of elderly care for independent excretion in toilet
田中 淳一郎
1
Junichiro Tanaka
1
1ユニ・チャーム株式会社 ライフリー排泄ケア研究所
pp.146-149
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201189
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Key Questions
Q1:自立排泄とは?
Q2:紙おむつをどう選ぶか?
Q3:研究者とセラピストはどのように連携できるか?
自立排泄とは
自立排泄とは,一般的にはトイレの一連動作をご自身で完結できることを意味していると思われる.しかしライフリー排泄ケア研究所では,自立排泄とは「トイレを利用できること」と定義している.たとえ介助が必要であっても,たとえトイレでうまく排泄できなくとも,トイレを利用することができれば,トイレというプライベート空間で紙おむつを交換することができる.トイレを利用できることで,たとえば旅行へ行くという可能性も広がり,社会参加への扉が開かれる.あくまでも自立排泄は手段であり,目的はその先にあるご本人の趣味や楽しみを実現し,その人らしくいられることである.
しかし,2015年(平成27年)に実施した弊社の調査によると,施設・病院において,立位が多少困難であるものの座位が安定している方のうち50.9%は,ベッドでテープ型おむつによる排泄ケアが行われている実態がある(図1).これは在宅の実態と大差なく,トイレも比較的広い環境で,プロフェッショナルな職員によるケアが行われる施設・病院のデータにしては,ADLの観点からのデータとはいえ,また認知機能の低下等を加味したとしても,ここで示されたトイレ利用率は低く,大きな課題である.
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