特集 回復期リハビリテーション病棟における理学療法
回復期リハビリテーション病棟における作業療法士との協業
須藤 恵理子
1
,
千田 富義
1
Sutou Eriko
1
1秋田県立リハビリテーション・精神医療センター
pp.413-418
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100089
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2000年の診療報酬改定により回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期リハ病棟)が制度化された.回復期リハ病棟は,急性期病床から直ちに社会復帰できず,リハビリテーションの継続が必要な患者に対し,集中的にリハビリテーションサービスを提供する病棟である.日常生活活動(以下,ADL)の向上,寝たきりの防止,家庭復帰を目標とするが,最大180日まで入院可能であるため,比較的余裕をもってリハビリテーションが実施できる.また理学療法士2名以上,作業療法士1名以上を専従とすることが条件であり,病棟でのリハビリテーションが強化される体制となっている1).回復期リハ病棟は2003年3月時点で約300病棟であったが,2004年11月現在600病棟を超え,増加傾向にある.当然,回復期リハ病棟に関わる理学療法士の数も増加傾向にあると予想される.
回復期リハ病棟ができる前は,急性期患者や重度障害患者の理学療法をベッドサイドで行うこともあったが,主として理学療法室で機能改善に向けた治療を行っていた.しかし,患者が理学療法室で過ごすのは1日のうちわずかな時間であり,1日の大部分は病棟で生活している.病棟は治療や休息の場と考えられることが多く,獲得した機能を病棟生活で活用することが不十分な場合もあった.そのため,「できるADL」と「しているADL」の解離が議論されることも多かった.理学療法士は理学療法室を中心に活動しているので,病棟生活を十分に把握しにくい状況にあり,理学療法士と看護師がより協力できる体制を作ることが必要となっていた.
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