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第5土曜特集 超高齢社会を支える医学・医療の提案
高齢者疾患の包括的管理
高齢者下部尿路機能障害
-――フレイル・認知機能低下と下部尿路機能障害の関係
Lower urinary tract dysfunction in the elderly
――Relation between frailty, cognitive function and lower part urinary tract dysfunction
吉田 正貴
1,2
,
横山 剛志
3
Masaki YOSHIDA
1,2
,
Tsuyoshi YOKOYAMA
3
1医療法人桜十字桜十字病院泌尿器科
2国立長寿医療研究センター
3愛知医科大学看護学部老年看護学
キーワード:
下部尿路機能障害
,
フレイル
,
サルコペニア
,
ウロ-フレイル
Keyword:
下部尿路機能障害
,
フレイル
,
サルコペニア
,
ウロ-フレイル
pp.486-490
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27905486
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フレイルは加齢に伴い,外的ストレスに対し脆弱性を示す状態である.Friedの基準によれば,わが国の地域在住高齢者におけるフレイルの頻度は約11.3%とされている.下部尿路機能障害とフレイルは密接な関係があり,男性高齢者では下部尿路症状(LUTS)の重症度とフレイル有症率は相関する.また,フレイルは尿失禁発症のリスクであり,過活動膀胱(OAB)とフレイルの関連も指摘されている.サルコペニアは身体的フレイルの主要な要因で,筋力低下と腹圧性尿失禁や低活動膀胱,切迫性尿失禁や機能性尿失禁との関係が示唆される.筆者らは,加齢に伴う身体・精神的変化,泌尿生殖器機能低下や低テストステロン状態による種々の障害をウロ-フレイルとしてとらえ,総合的に介入していくことが重要と考えている.複雑な病像を呈するフレイル高齢者の下部尿路機能障害の診療においては,老年医学に対する十分な理解とともに老年病専門医との綿密な連携が必要と思われる.
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