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特集 下部尿路機能障害に対する支援—その理解から具体的介入まで
総論:作業療法の視点で支える下部尿路機能障害
Supporting patients with lower urinary tract disorders from a viewpoint of occupational therapy
佐藤 浩二
1
Koji Sato
1
1大分岡病院
pp.118-120
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201183
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Key Questions
Q1:下部尿路機能の評価の必要性とは?
Q2:下部尿路機能障害が与える活動面への影響とは?
Q3:おむつの適切な着用に向けた介入とは?
はじめに
FIM(Functional Independence Measure)でトイレ動作に関連する動作を整理すると,移動(トイレに近づく,離れる),移乗(トイレに乗り移る),トイレ動作(下衣の上げ下げ,後始末),排尿管理(尿の我慢,排尿する)となる.
さて,読者の皆さんは,移動,移乗,トイレ動作は模擬練習ですべて自立と判断したが,実際は尿意切迫感があり,我慢できず失禁してしまう患者を経験したことはないであろうか.また,上記の一連のトイレ行為は実際に自立していても,本来頻尿傾向が強く,排尿後1時間も経たないうちにトイレに行こうとする患者を経験したことはないだろうか.さらに,このような患者に「外出しましょう」,「屋外で活動しましょう」と誘っても継続性はなく,閉じこもり傾向となってしまった経験はないであろうか.
上記の事例は,排尿管理に問題があり,下部尿路機能障害が影響している.
下部尿路とは,聞きなれない言葉であるが,膀胱と尿道で構成される部位を指し,この機能は蓄尿と排尿である.
本特集は,バルーンカテーテル抜去後の排尿自立支援にとどまらず,下部尿路機能の評価と対応,そして具体的な実践例を学び,確実に患者を活動・参加向上につなげるうえでの作業療法介入のあり方を提示することを目的として企画した.まず本稿では,問題提起として,自立支援に向けては下部尿路機能の評価が不可欠であることを述べる.
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