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特集 下部尿路機能障害に対する支援—その理解から具体的介入まで
排尿自立指導料収載の背景と作業療法士介入への期待
Continence Self-management Program and expectation for the role of occupational therapist
真田 弘美
1
Hiromi Sanada
1
1東京大学大学院(老年看護学/創傷看護学分野)
pp.129-132
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201185
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Key Questions
Q1:排尿自立指導料新設の背景とは?
Q2:排尿自立指導料の概要とは?
Q3:排尿自立指導にあたり,OTに期待することとは?
排尿自立指導料新設の背景
排尿自立とは「排尿管理方法は問わず,自力で排尿管理が完結できること」を指す.最後まで自立して排尿をしたいという望みは人間誰しもがもっているが,在宅療養者や療養施設入所者の半数以上は,介護者によっておむつや尿道カテーテルによる排尿管理を受けている.この,おむつや尿道カテーテル管理がいつ始まったのかはほとんど把握されておらず1,2),病院へ入院した際に,治療に伴って行われたおむつ装着や尿道カテーテル管理が引き金となっていると考えられる.
高齢者の運動機能や下部尿路機能は非常に脆弱であり,短期間の治療による安静であっても,廃用性の機能低下をきたす.運動機能は,尿道カテーテル留置によるベッド上での生活日数が長いほど,退院時の歩行能力が低下することが報告されている3).また,下部尿路機能は,治療に伴い尿道カテーテル留置管理が行われると,あっという間に膀胱容量(尿を膀胱内にためられる量)の低下による頻尿や尿失禁,排尿時の膀胱の収縮不全による尿閉/排尿困難等が生じる.そのため,治療として尿道カテーテルでの管理が必要なくなっても,カテーテル抜去後の失禁や尿閉への対症的ケアのために尿道カテーテルの再挿入やおむつ装着が行われ,それがその後ずっと続いてしまうのである.
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