研究と報告
腎移植を受けた患児の排尿の自立に向けて
中込 律子
1
,
秋山 栄
1
,
西沢 理
2
1山梨医科大学医学部附属病院
2秋田大学医学部泌尿器科
pp.578-581
発行日 1989年6月1日
Published Date 1989/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922293
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当院では,開院当初より腎移植に取り組んできた.その数は,1988年1月現在,27症例に及んでいる.27症例中,臓器提供者(以下,ドナーと略す)を肉親とした生体腎移植26例,死体腎移植1例である.今,臓器移植は,脳死の判定や倫理問題など,大きくクローズアップされている.しかし,当院の傾向からも分かるように,主流は生体腎移植である.今回私たちは,出生時より排尿を体験したことのないまま,腎移植を受けた患児の看護にかかわってきた.
健康な私たちにとっては,日常「尿意を感じ」「排尿をする」という行為は,ごく当たり前のことである.しかし,右腎尿管逆流現象(以下,VURと略す)および,先天性左無機能腎を持つ本児は,その基本的行為が習慣づけられていなかった.
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