研究と報告
夜尿相談を通しての排尿自立への援助
中村 元子
1
1静岡県立こども病院指導相談科
pp.432-436
発行日 1982年4月1日
Published Date 1982/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919527
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はじめに
静岡県立こども病院は1977年に開院したが,私は指導相談科担当看護婦となり医療と地域社会の接点としての業務に努めている.1980年3月から指導相談科では泌尿器科と提携した‘夜尿相談’を開始し,1981年3月までに149名の事例を経験することができた.夜尿症とは,夜間睡眠中に自覚せずに排尿する状態であるが,症状は同じでも原因は多様であるため,単一の治療では効果はないとされている.つまり夜尿という症状に加えて,心理的精神的症状により複雑な病像を形成する場合が多いので,泌尿器科外来だけで扱うよりは心身医学的アプローチを加えた方が効果的である.外来新患のうち夜尿,昼間遺尿,頻尿を主訴とするものが対象となるが,器質的異常の有無を調べる検査を外来で済ませ指導相談科に来る.
今回,この149例の事例をもとに,夜尿相談を通しての排尿自立への援助について,その概略をまとめてみたのでここに報告する.
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