Japanese
English
特集 下部尿路機能障害に対する支援—その理解から具体的介入まで
脳卒中患者の下部尿路機能障害—過活動膀胱を中心に
Lower urinary tract dysfunction of stroke patients:Focusing on overactive bladder
𠮷澤 剛
1
,
髙橋 悟
1
Tsuyoshi Yoshizawa
1
,
Satoru Takahashi
1
1日本大学(泌尿器科)
pp.121-128
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201184
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Key Questions
Q1:脳卒中回復期から慢性期にみられる下部尿路機能障害とは?
Q2:行動療法の種類は?
Q3:OTの役割とは?
はじめに
脳血管障害には,急激に片麻痺や意識障害をきたす脳卒中と,緩徐に進行性の経過をたどる多発性脳梗塞(多発性小窩状態)がある.いずれも下部尿路症状(lower urinary tract symptoms:LUTS)をきたす(表1)1).前脳病変では蓄尿症状がよくみられ,脳幹部病変(脳幹部梗塞等)では排尿症状が多い.蓄尿障害は慢性期まで継続する傾向があるが,尿意は正常で排尿筋と外尿道括約筋の協調性も保たれていることが多い.前立腺肥大症等の合併がなければ,排尿機能は比較的保たれる.
本稿では,脳卒中回復期から慢性期にみられる過活動膀胱(overactive bladder:OAB)を中心に概説する.
Copyright © 2018, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.