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排尿自立指導料
2016年(平成28年)4月に排尿自立指導料が保険収載された.排尿自立指導料とは,保険医療機関にて,排尿に関するケアにかかる専門的知識を有した多職種からなるチーム(排尿ケアチーム)を設置し,患者の診療を担当する医師,看護師等が,排尿ケアチームと連携して,患者の排尿自立の可能性および下部尿路機能を評価し,排尿誘導等の保存療法,リハ,薬物療法等を組み合わせる等,下部尿路機能の回復のための包括的なケアを実施することを評価するものである.
この排尿自立指導料算定には,さまざまな条件を理解しクリアする必要がある.第1には排尿ケアチームの設置である.当初,医師,看護師,PTの3職種であったが,本年4月に疑義解釈にて「作業療法士」が職名追記された.医師は3年以上の勤務経験のある泌尿器科医または所定の研修を修了した医師であり,看護師は3年以上の下部尿路機能障害を有する患者の看護に従事した経験を有し,所定の研修を修了した者と規定されている.セラピストは,下部尿路機能障害を有する患者のリハ等の経験を有する者とあり,下部尿路機能障害を理解していなければならない.第2にこの指導料の対象は,尿道留置カテーテル抜去後に,尿失禁,尿閉等の下部尿路機能障害の症状を有する者,または尿道留置カテーテル留置中の患者であって,尿道留置カテーテル抜去後に下部尿路機能障害を生ずると見込まれる者と限られていることである.第3には病棟看護師の取り組みが明確に規定されており,対象を抽出して下部尿路機能障害評価のための排尿日誌作成や残尿測定を行うことが必要とされている.第4に排尿ケアチームが関与を行うと同時に,病棟看護師等が直接的な指導・援助を行った場合に週1回計6回まで算定できるもので,どちらか一方の関与では算定できない.
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