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特集 気分障害と作業療法
気分障害と社会生活を見据えた作業療法
Occupational therapy in anticipation for social life of mood disorders
早坂 友成
1,2,3
Tomonari Hayasaka
1,2,3
1杏林大学保健学部作業療法学科
2杏林大学医学部精神神経科学教室
3杏林大学医学部付属病院精神神経科
pp.1086-1091
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201080
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Key Questions
Q1:気分障害とは?
Q2:気分障害に対する継時的作業療法とは?
Q3:うつ病と双極性障害に対する作業療法の違いとは?
はじめに
気分障害は2010年(平成22年)以降の精神科医療において最も注目を集めた精神疾患の一つである.これまでの議論を振り返れば,新型うつ病という造語による社会的話題やSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の取り扱いに関する議論等は記憶に新しい.これらの中でも2013年(平成25年)に公開された「精神障害の診断と統計マニュアル第5版」(DSM-5:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders 5th Edition)1)における気分障害の分類は,精神科医療において大きな変革となった.これまで定められていた気分障害の分類は解体され,「抑うつ障害群」と「双極性障害および関連障害群」は独立した精神疾患として記載された.一方,「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10版」(ICD-10:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)2)では,気分障害は分類されたままであり,反復性うつ病性障害と双極性感情障害は気分障害の下位分類とされている.
気分障害の診断基準については現在も議論されている最中である.本稿ではDSM-5とICD-10の分類を踏まえたうえで,うつ病と双極性障害を中心に,気分障害と作業療法の概念および意義を解説する.
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