あなたにとって作業療法とは何ですか?・第34回
あなたにとって作業療法とは何ですか?
松本 琢麿
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1神奈川県総合リハビリテーションセンター
pp.1113
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201084
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無限の可能性を探る協働作業
私の学生時代にはインターネットもなく,就職ガイドブックにもOTが紹介されることはなく,私はPTと勘違いし迷いながらOTになりました.そんな優柔不断な私でしたが,「上腕切断でも3人の子育てをしているバレエダンサー」,「C5頸髄損傷でも自動車運転や一般就労ができた元暴走族少年」,「失語症で片麻痺があっても版画家となり個展を開催している元小児科患者」等々,私たちの想像をはるかに超える患者との貴重な出会いと付き合いが,私の作業療法の基盤となっています.「たとえ心身に重い障害があったとしても,自分自身を知って動くことができれば,さまざまな可能性があること」,「セラピストが自立予後の限界をつくらない心構えが大切であること」,「セラピストは患者家族に寄り添い,無限の可能性を探る存在であること」等,彼らから多くを教えてもらいました.
このような臨床経験を与えてくれるわが職場,業務後の勉強会や週末の研修会を一緒に行ってくれる同僚や全国の仲間,活動を支えてくれるOT協会,すべてに感謝しています.今後も,さらに多くの患者家族の役に立てるよう実践して,作業療法のすばらしさや楽しさを伝えていきたいと思います.
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