増刊号 上肢・手の機能と作業療法—子どもから大人まで
第2章 上肢・手の実用的機能向上—各手技・手法の考え方と具体的実践
6 —認知神経リハビリテーション:小児—子どもが自身の身体に意識を向けることの重要性
石附 智奈美
1
Chinami Ishizuki
1
1広島大学学術院
pp.698-701
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200986
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はじめに
認知神経リハを学んだ十数年前,それまで何気なく使っていた子どもへの言葉かけを大いに反省したことを覚えている.それまで筆者は,子どもの手を介助して,ある物を触ってもらうという場面で,「ふわふわしているね」,「気持ちいいね」と声をかけていた.この治療理論を学び,“セラピストが子どもに何を経験させるか”ではなく,“子どもが何をどのように経験(学習)しているか”ということの重要性を学び,同じ状況下での対応がまったく変わった.どのように変わったかは事例報告で触れる.
このような治療の転換をもたらした認知神経リハの理論背景や治療展開の方法についての詳細は前項の「成人」で説明しているので省略する.ここでは,基本的な考え方の補足と子どもへの治療展開で考慮すべき点を中心に紹介する.
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